これから不妊治療を始める方、今絶賛治療中の方は仕事との両立に不安を感じていたり悩んでいたりしないでしょうか?私はフルタイムで外資系でマーケターとして働きながら、不妊治療をしていました。
何とか両立をしていましたが、何度も悩みもがき苦しみました。今回は私が実際に経験して、両立に大事だと思うこと、そして何より治療と向き合うために大事だと思うことをご紹介します。

私の詳しい不妊治療の経歴についてはプロフィールをご覧ください。
私の不妊治療経歴について
まずは簡単に、私の不妊治療経歴についてご紹介します。
妊活・不妊治療の経歴
26歳で妊活スタート、27歳で妊娠
年月 | できごと |
2021/12 | 産婦人科で検査、多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん:PCOS)と診断 |
2021/12~4 | 産婦人科でタイミング法 |
2022/4 | 不妊治療専門の病院に移る |
2022/6~8 | 凍結精子で人工授精2回 |
2022/9 | アメリカ移住 |
2022/10~1 | 体外受精→無事着床 |
最後はアメリカ移住後の話となるため、今回は2022年8月まで日本にいた時にどのように仕事と不妊治療を両立していたかにフォーカスします。
仕事について
新卒から外資系にてマーケターとして働いていました。仕事はとても忙しいチームで平日は夜中まで働く日々。コロナをきっかけにフルリモート。
いわゆる世間では「バリキャリ」と呼ばれる部類に入り、忙しい毎日を送っていました。その中で不妊治療と仕事を両立させることは正直簡単ではなく、かなり四苦八苦したので時系列に沿ってご紹介していきます。
【産婦人科時代】仕事との両立が限界に
治療の経歴で記載した通り、私は産婦人科で多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん:PCOS)と診断されました。この症状により、私は月経不順だったため排卵を起こすための治療を産婦人科で行っていました。この治療がしんどいしんどい!(笑)
この時の苦しさは、以下の記事の「不妊治療に踏み切った理由」に記載していますので、ぜひご覧ください。

一言でまとめると、肉体的・精神的疲労が限界を迎えていました。
それでも、私は自分がこの先子どもを産めないのでは、という不安でいっぱいだったのでできる限りの努力はしたいと考えていました。そこで夫とも相談し、今の産婦人科ではなく本格的な治療ができる不妊治療の病院に移ること、そして自宅からも通いやすく予約が取れる病院を選ぶことに決めました。
【不妊治療専門病院に移転】仕事との両立がスムーズに
産婦人科で紹介状を書いてもらい、不妊治療の病院を探し始めました。この頃は週に何度か出社の働き方だったので、職場と自宅の中間地点の場所を選びました。この時、私が意識したのは以下のポイントです。
- 不妊治療の実績はどのくらいか(口コミ)
- 人工授精や体外受精の金額
- 職場からも自宅からも通いやすい距離か(最寄り駅、駅からの距離)
- 土日や平日夜まで対応可能か
- 予約が取りやすいか
- 1か月以内に初診の予約が取れるか
不妊治療の病院に通いたい、と思っても最初は血液検査などの詳細検査を受ける必要があります。自宅から一番近い病院では初診の予約が2か月後しか取れなかったため、すぐに対応できる病院を優先して選びました。
また、不妊治療の実績に関しては口コミをネットで調べました。ただ、転院しようと思った大きな理由は通いやすさだったので何よりも対応可能時間帯、予約の取りやすさを優先しました。結果として、予約が取りやすく、土日も平日も夜まで対応してくれる利便性の高い病院を選びました。
病院を変えてから、肉体的疲労はかなり軽減されました。待ち時間がほとんどなく、気持ち的にゆとりのある土日に通えたため心に余裕が生まれ治療にも前向きになれました。この病院でそのまま人工授精も2回実施しました。
不妊治療と仕事の両立で大事なこと
私の経験から、両立をする上で大事だと思うことをご紹介します。
1.通いやすく、信頼できる病院選びをする
何よりも通いやすい病院であることは大切です。不妊治療は終わりが見えなく、かつタイミングが命なので忙しくても指定された日に行く必要があります。そのため、自宅から近い、予約が取りやすい、などは治療をスムーズに進めるために非常に重要です。
私も通いやすい病院に変えることで治療への負担が軽減されたため、時間的拘束に限界を感じている方は転院もぜひ検討してみてください。
2.パートナーと治療の進捗や悩みについて素直に共有する
不妊治療はパートナーと共に乗り越えていくものだと思います。人によっては女性側、男性側、または双方共に定期的に通院する必要もあると思います。片方だけで抱え込むのではなく、どんな治療をしていて今日はどうだったか、何がつらいか、どうしていきたいかを日常的に共有してみてください。
長い闘いにもなるので、都度都度吐き出しておくことでストレス軽減にもつながります。また、なかなか周囲に相談も難しい話題だと思うので、パートナーを巻き込んでいくことで「一緒に」立ち向かう仲間ともなり不妊治療生活が楽になると思います。
私は毎回病院の後は夫に治療の報告をしていました。今回もダメだった…と落ち込んでいることも隠さずに話をしていました。それでも、抱えきれず一人でシャワーやトイレで泣き叫ぶこともありましたが、爆発して夫に泣きついたことも一度や二度ではありません。
ありがたいことに、夫はとても当事者意識が強い人だったので、私が「もう無理」「ごめんね」と泣いた時も話を聞いてくれ、落ち着いたらどうした方がいいかを一緒に考えてくれました。もし子どもを授かったら協力していくことも増えていくため、そのための準備期間としてパートナーとの絆を強くしていくのがいいかもしれませんね。
3.周囲を頼る
借りられる手があるなら、仕事やプライベートでも周囲の助けを積極的に借りてみてください。私は仕事にがむしゃらだったため、正直仕事の手を抜くことがなかなかできませんでした。そうして、仕事も治療も100%やり切ろう!と思うと心も体もボロボロになってしまいました。そこで、仕事も周囲にもっと頼ろうと切り替えました。
具体的には、一人で責任を持っていた仕事をチームにも相談しながら進める、自分のキャパシティを超えるであろう仕事はきちんと断るなどです。仕事の成長スピードという観点では必ずしもプラスではないですが、完璧を目指さないことがポイントです。
仕事も治療も、そして生活もきちんとこなさないとと思いがちです。でも、体は一つ。どうしたって限界があります。何より、治療はすぐに結果につながるものではありません。がんばろうと意気込むほど、苦しくなっていきます。なので、うまく力を抜けるところは抜いてみてください。私ももっと早くからうまく抜ければだいぶ楽だったな、と今になって思います。
4.自分たちの決断を尊重する
何といっても、これが一番だと思います。「絶対に仕事と両立させなきゃ!」と思えば思うほど苦しくなりますし、治療ステージが進むにつれてどうしても時間的拘束も増えてしまいます。両立にとらわれすぎるのではなく、思い切って柔軟に対応してくれる環境に身を置くのも一つですし、治療に専念するため仕事を離れるのも一つです。
そして、どうか両立できない自分を責めないでほしいです。私も、精神的にも肉体的にも疲弊しきっていた時、そんな自分がいけない、と責めていました。しかし、目標に向けてちゃんと逃げずに向き合い、少しでも進んでいること、そのことをまずは自分が認めて褒めてあげてください。定期的なご褒美も効果的ですよ!
そして、人生で何が大事かをよくパートナーとも話し合い、どういった形で進めるかを決めていってください。簡単なことではないですが、周囲からどう思われようと自分たちが納得した形で人生をつくりあげるのが一番だと思います。
不妊治療と仕事の両立に向けての願い
ここまで、仕事との両立で大事なことをご紹介してきましたが、とはいえ「仕事の環境」に左右される部分は大きいと思います。幸いなことに、私は仕事の融通が比較的ききやすく、通院への理解がある人ばかりでした。
しかし、中には理解を得られない方や環境としてそもそも難しい方も多いと思います。理想的には、仕事環境としても不妊治療の休みが取りやすい、理解がある環境が広がっていけばいいなと考えています。
職場の人に伝えることで、キャリアへの影響や心無い言葉をかけてくる人、状況を聞いてくる人などさまざまな悩みも生まれます。社会がより不妊治療に寛容になることが負担を取り除く一つの道だと思っています。
自分たちの道を選ぶことが大事
不妊治療と仕事の両立は正直簡単ではありません。治療のステップが上がれば上がるほど肉体的にも負担が増えていきます。ただ、タイミング法でしばらくは様子見したい、仕事もがんばりたい、そういった方などは工夫をしながら仕事と両立することは可能です。
一番大事なのはどういう風な人生を歩みたいかを考えて道を選ぶことだと思います。正解はないので、ぜひ自分たちに合った進め方を見つけてみてください!
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